《68》「上肢のしびれ」


《68》「上肢のしびれ」

Q:こんにちは、よろしくお願いします。3日前の朝、子供たちのお弁当を作りながら、後にいた子供の方に振り向き「早く食べなさい!」としかった瞬間、首に痛みが走り、その後時間がたつに従って、重だるくなり、しびれが起こるのと同時に、手を上に挙げたりできなくなってしまいました。自然になおると思っていたら…指も力が入らなくなってしまいました。東洋医学で改善する方法はないだろうかと思い参りました。

A:急性の状態からでしたら、早めに治療を始めさえすれば、一般的に良い方向に治っていきます。頚の痛みの位置と腕から手のしびれている部位は、どこでしょうか?

Q:首は、肩とのつけ根でこのあたりが痛く、腕は腋から内側がしびれていて、全部右側なのです。右手が上に挙げられないので左手で肘あたりをささえて挙げるのですが、その時に、腋から腕の内側の感覚がにぶっているのに気がついたんです。手の平もおかしいのと、手指がどうも握る力が入り難いんです。

A:頚の状態をチェック(徒手検査)してみます。

軽く、首を斜め後ろに傾けてみますが、左に傾けたときと右に傾けたときでは、いかがでしょう? どちらに傾けると嫌な感じがしますか?

Q:右です。少し痛みますし、腕(上腕)がしびれます。

A:次に右腕を腰の方(後方)へ腕全体を引っぱります。どうでしょう?

Q:これは、何でもありません。

A:やはり、頚を捻挫して、神経の出口(神経根)に炎症が起り、神経自体を圧迫しているようです。

鍼治療は初めてでしょうか? 鍼治療は傷(炎症)のある頚(神経根附近)と、その末梢にあたる上肢(腕)のしびれ(麻痺、痛み、無力感、だる重さなどの違和感)のある個所数カ所に施すぐらいです。これによって、大脳で針治療による「軽い」不快感のある部位を治さなければならないと判断し、「針を施してある沿線上(経路)」を活性化(新陳代謝)させようとしていきます。つまり、治る力(自然治癒力)をより強めるわけです。(治り方には個人差があります)

では、頚周りと、右腕を出していただいてから、こちらのベッドにうつぶせになってください。消毒して鍼治療を始めます。

治る順番として、痛みが取れてから、しびれと、無力感が回復していきます。

(この連載は2カ月に1回掲載)

浅井先生1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。

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