《70》アキレス腱断裂後の治療
Q:こんにちは、よろしくお願いいたします。先月、テニスをしている最中、急激に走り出したら、左足に「ブチッ」と音がして痛みで動けなくなってしまいました。その場から病院に行き、診察の結果アキレス腱が切れていましたので即手術をしました。あれから3週間経ち、歩くのに装具と杖を使っています。早く痛みと治して普通に歩けるようになりたいのです。ネットに鍼灸治療で回復がはやくなるという情報を目にして、参りました。この数日、歩き方が悪いせいか腰もはって重いのですが、一緒に診ていただけますか?
A:そうでしたか、大体の方は、普通に歩けるようになるのに1カ月くらい、軽い運動は、2カ月後以降になります。縫合がうまくいけば、3週目で軽くジャンプできる人もいます。鍼治療をしていくと痛みが早めにひき、組織の修復がよくなり、腫れもきれいに治りやすくなります。左足の膝から先を出してください。また腰まわりもゆるめて、こちらのベッドにうつぶせになっていただけますか? アキレス腱周囲から診てみます。まだ切れた部位の辺りが腫れぼったいですね…。
Q:そうなんです。触れると嫌な感じがします。
A:足首周囲は、少しむくんでいますね。ふくらはぎの筋肉がぱんぱんに硬くなっています。治療していくと柔らかくなり、このむくみもとれていくでしょう。では、腰は、どの辺りが不快ですか?
Q:背中から腰全体なのと、股関節の横が疲れるんです。
A:わかりました。疲労がたまってきているんでしょう。足と同時に、腰の疲れをとっていきましょう。
ふくらはぎと脛、そしてアキレス腱周囲を消毒していきます。穴と傷のある周囲に少しだけ鍼をすると新陳代謝が良くなり、栄養分がいき届くようになりますので早く治るわけです。肉ばなれと同じで、早期に治療を始めることで、組織に残る繊維性の物質が少なくてすみ、予後が良くなります。
当院で使用している針は、全て使い捨てですのでご安心ください。
※治り方には個人差があります。疑問な点がありましたら、ご遠慮なくお尋ねください。
(この連載は2カ月に1回掲載)
浅井先生:1987年から中国に留学。日本で鍼灸師の資格を取得後、診療所の理学療法科や鍼灸院、接骨院勤務を経て、1999年より香港で「誠恩堂鍼灸院」を開業。2003年に特区政府が定めた全科漢方医(漢方、鍼灸)の第1回資格試験に合格した。